american simple life

アメリカでシンプルライフ。家計簿も公開しています。

初めての駐在 夫婦の絆の話

f:id:ame-simple:20150925223226j:plain

今日はシンプルライフとは関係ない話です。

 

私事ですが、今月で駐在生活も4年目に突入しました。

今日はそんな駐在生活を振り返って、私が駐在生活を始めたばかりの頃のお話をしたいと思います。

 

アメリカ生活の最初の頃、私を満たしていたのは、後悔と喪失感でした。

大好きな仕事とキャリアは捨てて、英語も出来ない、友達もいない、家族は遠く離れていて、たった一人の拠り所のはずの夫は、仕事が忙しくて家に居ない。

 

今までは欲しいものがあったら、自分のお給料から好きなように買っていたのに、仕事を辞めた今、欲しいものがあっても、夫にお伺いを立てて(夫はいいよ~としか言わないとしても)、夫のお金で買わなければならないという現実も、私の自尊心を傷つけるものでした。
それはまるで、社会の一員として今まで暮らしてきたはずなのに、ある日突然、社会から抹殺されたような気分でした。

 

あの頃のことを思い出すと、今でもゾッとします。

 

日本にいる家族には、心配させたくなくて何も話せず、日本の友達も仕事で忙しくしているし、専業主婦になった私を羨むばかりで、やはり本当の事が言い出せずにいました。

 

そんな八方ふさがりの中で、後悔と喪失感はいつしか夫への攻撃に変わります。
「私は貴方のせいですべてを失ったのに、貴方はのうのうと生きている」
「こんな場所になぜ連れて来たんだ」
そんな被害妄想さえ出てきます。

 

でも本当は違うはず。
私は自分の意思で渡米したのです。
家族として、一緒に来て欲しいと言った夫の言葉に、納得して仕事も辞めたはずでした。
アメリカで始まる新生活に夢を抱いて渡米したのです。

 

でも、現実はまさに暗闇の中。
英語が通じない、聞き取れない挫折感。
それが普通の聞き方だと、今では分かるのですが、聞き取れない時にこちらの人は「ハァ?」と聞き返します。
それが怒っているように聞こえて、英語が話せないだけで、バカにされたような気分になったものです。
 
学校での成績もソコソコ良くて、第一希望の大学にもすんなり入れて、ストレートに大学も出て、同僚に辞めるなんて勿体無いと惜しまれた大手企業でキャリアを積んでいると自負していた私の、人生で最大の挫折でした。
もがいてももがいても、まさに一寸先は闇。
 
どのくらいの間、日本が恋しくて、仕事が恋しくて、友達に会いたくて、帰りたいと泣き暮らしていたのかもう思い出せませんが、そんな中、ただ一つ、私が救われたのは、夫がただひたすら私の泣き言に耳を傾けてくれた事でした。
 
慣れない仕事で疲れて帰ってきても、私が泣き疲れて眠るまでちゃんと起きて相手をしてくれて、
私がどんなにひどい事を言っても、何も言い返さずに黙って受け止めてくれていました。
決して、私を責めるような事は言いませんでした。
休日は、なるべく私を連れ出して、気分転換をしてくれたりもしました。
 
あの時は、ここでの自分の存在意義を見出す事に必死すぎて、全く見えていなかったのですが、ただただ、夫の優しさに救われていたんだと今なら分かります。
決して一人では乗り越えられなかった。
 
海外生活にすんなりと溶けこめる人もいれば、私のように喪失感に苛まれる人もいるのです。
 
もう一つ。
今でも、あの時日本に残っていれば、と考える時がないわけではありませんが、どんなに喪失感に苛まれても、私が心の奥で気がついていた事が一つあります。
「私が帰りたいと思っている場所は、場所としてはたしかに存在するけれど、本当に帰りたいと思っている場所は、もう私の思い出の中にしか存在しておらず、どんなに願っても過去には戻れない。」
という事です。
私が恋しく思っていたのは、あくまで過去の楽しい思い出に対してだったのです。
だから余計、日本にいる家族や友人に相談出来なかったという側面もあります。
 
だから、もしあなたが海外生活を始めたばかりで、パートナーが、私のように慣れない海外生活に苦しんでいるとするなら、ただ側にいてあげて下さい。
泣いていたら、背中をさすってあげて下さい。
あなたが必要なんだよと、言ってあげて下さい。
辛い気持ちを吐き出せる場所が、他に見つからないのです。他で虚勢を張っている分、あなたに甘えたいのです。
 
そして、もしあなたが私と同じように苦しんでいるとしたら、大丈夫。
何もかも日本に置いて、パートナーのために渡米したあなたはすごい人です。
だって、知らない場所で一生懸命戦っているんだから。
あなたの存在意義がないなんて事は、絶対にありません。
だからどうか、自分を認めてあげて下さい。
 
海外駐在を通して、絆が深まる夫婦もあれば、破綻する夫婦もあるのが現実です。
出来ることならば、前者ばかりの夫婦でありますように。

 

ランキングに参加しています。クリックで応援していただけると嬉しいです。

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村